男性だが名字を変えたことがある

名字が刻まれた印鑑 日常のこと

男性だと婚姻によって自分の氏(姓)を改める側になることは今でも少ないことでしょう。

しかし、私は過去に婚姻の後に相手方の氏に名前を改めた経験があります。

経験があると言うのは、それを安定して継続させる夫婦間の信頼関係が相手方が侵した法律上の原因により消滅し、婚姻関係が解消されることになったので私にとってこの経験は負の遺産のような形で自分の中に残ることになりました。

そんな経験談をここに書き込むべき強い意志や理由というのも特別あったわけでありませんが、正直心地よいものではなかった一連の経緯について、この先何かのきっかけでぶり気持ちの中で悪い形でぶり返されることを避けるためにも書き残しておこうと決断したものです。

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氏の変更は仕事への影響避がけられない

生じた諸々の問題を解決し名乗る氏を本来の自分のものへ戻してからもう10年以上。今になってことの次第を晒しだすことにまったく戸惑いがないわけではありません。

それでも、これから似たような問題に直面するかもしれない極めて少数派の方への参考的なもの、あるいは実体験的または他人から見れば時代背景的な事象の資料程度にはなるかもしれないといった思いから辿ってきた一連の経過を書くことにします。

この過去に氏の変更をした経験談は、このサイトのテーマである仕事や日常的な活動に関するテーマや対象としている同じ世代の方には関係が薄いものである一方、これから似たような課題に直面しかけるかもしれない若い世代の方々には貴重な実例となるのではと思っています。

また、このことを通じて名乗る氏名を変更しなければならないことは、これまで続けてきた生活の柱となる仕事に何かしらの影響があることを理解して欲しいと考えるものです。

ただし、氏(姓)変更にあたっては当事者本人の考えが最も尊重されるべきであって、相手方との関係への影響やこの先関わることになる環境など様々な要素を考慮して慎重に検討すべきであって、ここに書いた他人の経験談などはほんの僅かな資料程度に扱われるのが妥当なのも確かなことでしょう。

相手方の氏を称することになった理由

私が過去に結婚相手の氏を称することになった理由というのは、結婚相手(長女)に男の兄弟がいなくて相手の両親に婿に入ることを強く希望されたことでした。

特に家柄にこだわらなければならない事情とかはなく、単に家系上で苗字を存続させたいからという単純な理由によるもので、簡単に言えばサザエさんちのマスオさんのような形では嫌だということを主張されたわけです。

一方、私のほうは実家では次男という立場なのでそうした希望に応じされないわけではありませんが、なんだかよい話としては捉えることはできず一旦考えさせてほしいと返事をしたのを覚えています。

それでも、この機会を逃すと婚姻話など一生ないかもしれないという焦りと、当時も周りに男だけど結婚するとき苗字を変えたという話が周りになく、それにともなうマイナス要因のようなものを想定できなかったこともあって周りに流される形で苗字を変えることになりました。

そして、そうした悩みと徹底して向き合うことさえも貴重な時間の損失することになるのではと今でも思っています。

名字が変わることで生じる手続き

その後、めでたく結婚を済ませ名字は変わることになるのですが、名前が変わりましたの挨拶は当然のほか、名字を変更した側には諸々の手続き的な負担が生じます。

ここでは必要になる手続きを私生活と仕事にわけて取り上げることにします

私生活上で必要な手続き

氏名を変更したことにで発生する私生活上の手続きとしては、銀行口座、電話回線、運転免許証、電気・水道・ガスの契約などの契約または登録等に使用してある氏名の変更手続きがあります。

また、印鑑登録なども名字を変えても陰影がそのままだと不自然なので新しい実印で登録しなおしたほうが無難でしょう

他の済ませておきたい手続きとして、細かい部分まで上げるとクレジットカードや医療機関で発行(登録)している診察券など結構な数になります。

また、現在だとタッチ決済用に発行したカードなんかも戸籍上の正しい氏名に変更しておきたいところでしょう。

仕事上済ませなければならない手続き

一方、仕事上で必要になる手続きとしては会社によっては社内の規則にしたがって氏名や家族構成が変更されたことによる申請や届が必要になるかと思います。

社会保険関連の手続きや名刺の作り直しなどは会社の担当者がやってくれるのがほとんどなので労力的な負担が生じるケースは少ないかなと思います。

それより、職種によって程度に違いがあると思いますが会社内やお付き合いのある業者や関連先などへの挨拶のほうが大変かもしれません。

それから、職場と私生活のいわゆる公私で共通するものとして所有している資格の免状等にも変更が生じることになるので場合によっては対応が必要です。

特に、個人で所有している資格を使って国や地方公共団体へ責任者や保安監督者といった立場で選任されている場合など会社側で対応してもらわなければなりません。

もっとも婚姻等の理由で氏名に変更があった場合でも難しい手続きは必要ないことも多いです。

また、従事している業務に直接は関係しない資格も数多く取得している場合の手続きは個人で対応しなければならないので、そうした部分への対応は時間的、労力的な負担を強いられることになるでしょう。

実際に私が面倒に感じたのも所有している資格への対応でした。国家資格をはじめ若いころ頑張って試験を受け数を取得した分変更に手間がかかるので、いくつかはそのまま済ませた経過があります。

ある出来事により変更した氏が元通りに

婚姻後に氏名を変更した後は、時の経過と共に新しい名前にも慣れてくることになりますが今思えば少しモヤモヤしたもを引きずっていたと思います。

婚姻による氏の変更は男性として例外であることと、それに伴って様々な対応をこなさなければならなかった割に義理の両親を含め相手の家族に気遣いがなさすぎではないかという部分がそれにあたります。

「男性として例外」という表現が相応しくないかもしれない(当時でもそう)のと、身近に同じ経験を持った人が存在しないし、例え同じ立場の人がいても、他人の家族の話をこうした尺度から探るのは極めてデリケートで切り出すには危険な話でもあります。

仮に貴重な意見をいただいたところで、「僕もそう思ってた」と言わせてしまったことがあらぬ結果を招いては目も当てられません。

そんなモヤモヤを引きずりながら過ごし数年の結婚生活が過ぎた頃に事件は発生しました。

相手方が職場の男と浮気をしていることを知ることになったのです。

詳しい経過は省きますが、ことは私が申立人という立場の離婚調停に発展し離婚が成立することになります。

調停により離婚が成立すると離婚届に相手方の署名は要りません。そのとき家庭裁判所の調停員にはとても親身に対応していただけたと記憶しています。

証拠がはっきりしていて、そのとき置かれた立場や事情からそうした対応が当然と判断されたのかと思っています。

そんなわけで、結婚により変更された姓はもう一方の当事者の身勝手で非常識な行動により元に戻されることになります。

もとの名前に戻ったことの安堵感

離婚により元の名字に戻れたことは、けして残念なことではありませんでした。

離婚の理由が自分の不始末によるものだったりしたら感じ方は違ったかもしれませんが、それとは関係なく元に戻れたことに少しの安堵感が伴ったことを否定できません。

同じ立場の一般的な意見というのが分かりませんが、これは名字の変更というものが自分にとっては受け入れらないものであったことを意味します。

その後、名前が元に戻ると共に婚姻後に済ませた手続きと同じことを離婚後にも繰り返さなければなりませんでした。

住宅関連の手続きなどがあったので数は増えたいたと思います。

元の名字に戻すことは、対外的には汚点とも受け取れそうですが私本人としては正当な離婚理由があったことなどから名誉の回復のように捉えていました。

名字の変更は個人の人生基盤を損耗させる?

婚姻による氏の変更は私にとってはマイナスでしかありませんでした。

相手方が起こした「間違い」などがなく時が過ぎていれば、そうした考えに至ることもなく平穏に過ごしていたかもしれませんが、結果的には結婚後と離婚の後とで余計な手間を要したことになります。

こうした一連の経過を経て今思うのは、婚姻等により生ずる氏の変更は個人が積み上げてきた人生の基盤とリアルタイムな時間を少なからず取り崩し浪費することになるということです。

そして男性としては少数派な立場におかれることになりますが、そこをあまりに強調しすぎると、その裏側にある慣習を「悪く肯定」しているように解釈されるのではという余計な心配まで付きまとうことになります。

特定のケースでは、これらの浪費や心労に対しなんらかの形で対価が補填されることもありうるかもしれまえんが、すべての方がそうした社会(家庭)環境にあるわけではありません。

私が、こうした課題に直面していた当時からそうですが、現在でも婚姻後の男女別姓については議論が浮上しては沈んでを繰り返しています。

そして、この問題に関して動きが鈍いのは立法だけではなく社会全体が滞ったように見えるのが当事者として感じるところでもあります。

そもそも、誰が弱い立場で不利益を大きく被るのは誰なのか、一方だけが積み上げてきたものを損耗させ時間を無駄に損なうことにそろそろ決着をつけなければならないでしょう。

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